あなたに、触れたい

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「慎さん?! 慎さん!」 軽い方だろうなとは思うけど、意識のない人間に全体重でのしかかってこられると、流石に重い。 上半身を抱えたまま膝を突いてしゃがみ込み、声をかけながら顔を覗くと。 さっきの扉が開いた一瞬に思った通り、顔色は真っ白だった。 血色が全くない。 「とりあえず寝かした方がいいんじゃないかな?」 いけしゃあしゃあとそんなセリフを吐きながら声が近づいてくるものだから、「近寄んな!」と威嚇して下から睨むと、梶はひょいっと肩を竦めてその場に留まった。 「お前、何やった?!」 「いやいやいや、まだ何もしてない。未遂だよ」 まだってなんだ、未遂ってなんだ! なんかする気満々だったんだろうが! 腕の中を見下ろすと、額にはすこし汗のようなものが滲んでいて少し眉根を寄せている。 とりあえずソファに寝かせようと背中から脇へと右手を回し、左腕を膝の裏に通して抱え上げた。
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