474人が本棚に入れています
本棚に追加
余程疲れたのか、それともまだ具合が悪いのか。
「……平気ですか。なんか水でも」
「いい」
水でも飲んだらすっきりするかと思ったけれど、気力もないのかゆるゆると首を振る。
他に何かできることはないだろうか、とじっとその様子を窺っていて、気が付いた。
大腿のすぐ脇のソファに置かれた慎さんの手が、微かに震えていることに。
怖かったんだろう。
そりゃ、当然だ。
だって、女の人なんだから。
腕や手に残る感触が多分間違いないと脳内で訴えている。
抱きつかれた時に、僅かにだけど確かに感じた。
ふにゃ、という何とも言えない柔らかさ。
それに抱き上げた時も、とても男とは思えない身体だった。
痩せていても男の筋肉の硬い感触と、女とでは全く違う。
最初のコメントを投稿しよう!