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電車の中で初めて間近に見た時に驚かされた華奢な肩や首筋も、今なら当然だと思う。
……なんで、今までわかんなかったんだ。
一度女だと気づいてしまえば、もうどこをどう見たって男になんか見えなくなった。
俯いたままの姿が、今もまだ酷く怯えて見えて
まだ小刻みに震えている小さな拳に、つい手が伸びてしまった。
指先が手に触れた瞬間。
「……っ!」と息を飲む音と同時に、びくんと身体を震わせた慎さんが慌てて手を引っ込める。
怯えた目が、俺に対しても向けられていてそのことに愕然とした。
番犬としてだが近頃では佑さんを除けば一番近いところにいるんじゃないかと、多少の自負があっただけにショックだった。
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