あなたに、触れたい

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「慎さん?」 嫌がるどころか……これ、もしかして。 結構、脈ありなんじゃないだろうか。 耳まで真っ赤に染め上げた様子に、ついまた一つ、欲求が生まれる。 やばい、まずい。 抱きしめたい。 きゅっとまた強く握った手の中で、今度はぴくっと指先に力が籠る。 いやいやいやちょっと待て。 さっき誓いを立てたとこじゃないか。 怖がらせない傷つけない。 今は何も、聞かない。 暴走しそうな欲求を抑えるべく念仏みたいに脳内で唱えて。 あ、でも。
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