あなたに、触れたい

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「陽介くん、背、高いねー」 「アカリちゃんは、低い方?」 「うん、よく言われる! だから背の高い女の人とかすごく羨ましくて」 そう言いつつ、彼女は嬉しそうだった。 小さいなー、と思う。 華奢で柔らかそうで、とりあえず全部のパーツが小さい。 手も足も肩も。 笑顔も可愛らしい。 慎さんと並んだ時も、華奢だなとは思ったけどここまでじゃないし。 当たり前か、慎さんは男なんだし。 慎さんの笑顔は可愛いっていうよりも、妖艶というか。 下半身にくるというか。 ああ、いやいや。 んでもなんか、笑ったとこよりもふとしたところが可愛いんだよな。 あの可愛さを上手くまとめて「こういうところ」と説明するのは難しい。 ひとつひとつ事例案を上げていくなら、たくさんあるけど。 「ねえ、どこ行く?」 「は?」 どこって何。 家に帰るんだけど。
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