月と太陽

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こういうところはやっぱりウザいと、つい顔を背けて僕は背筋を逸らせてしまうのだが。 真正面で、視線がキラッキラ眩しい。 しょーじき、面倒なヤツに好かれたと思うのは今も変わらない。 いつもの僕なら、「気が向いたら」といった、僕が主導権を握った返事しかしなかっただろう。 だけど実際、口から出たのは少し違った。 「……そうですね。機会がありましたら」 「約束ですよ! 絶対機会作ります!」 ほんの僅かなニュアンスの違いだ。 だけど、誘われたらまた行ってもいい、という僕にしてはかなり前向きな、返答だった。
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