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「そんなことない……つもりですけど、なんだかんだ、佑さんが一番良く分かってるじゃないですか、慎さんのことを」
「は? そりゃ……長い付き合いだし」
一番、かどうかはわからないが。
結構な長い時間、佑さんにはお世話になってるし、実家がご近所なのだから仕方ない。
年が離れているから子供の頃は僕とは余り接点はなく幼馴染という印象もないけれど、姉とは一緒に居たのをよく見かけた。
「ほら。だったら慎さんのことは佑さんに従うのが一番じゃないすか」
「って、なんでそんな拗ねた顔してんですか」
いっつもクソ鬱陶しいくらいにへらへら幸せそうに笑って寄ってくるくせに。
見上げてみれば、今はえらく、唇が尖がって見える。
「……別に拗ねてないっす」
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