438人が本棚に入れています
本棚に追加
アルコールの余りきついものは今日は避けたいと言うので、ビールベースのシャンディガフを二つ並べた。
微妙な沈黙が訪れそうで、間が開くとまた陽介さんが余計なことを話しだしそうで、こちらから会話を切り出す。
といっても咄嗟に浮かばなくて。
「昨夜の合コンは、楽しかったのですか?」
なんでその話を出した自分!
と脳内で突っ込んだ。
「良かったですよ、女の子も可愛かったし。なあ」
「俺は行きたくて行ったわけじゃ」
「アカリちゃんって子が明らかに陽介狙いだったんで、送ってやれって二人きりにさせてみたんすけどね」
「だから俺は」
必死に言い繕おうとする陽介さんをよそに、浩平さんと僕は話が弾んでいるように見えて、彼の目は笑っていなかった。
「恥ずかしがることないじゃないですか。陽介さんにも春が来たんですね」
ちくりと胸を差す痛みは
散々僕に付きまとっておきながら、ちゃっかりした奴だと、呆れただけのことだ。
最初のコメントを投稿しよう!