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突如始まった公開告白に、外野を決め込む約二名の視線が気になって仕方ない。
「確かに女の子送ったけど、それだけでなんもしてないし当然家にも上がってませんし、なんならお月様見て慎さんのことで頭がいっぱいでしたよ!」
「は? え、月? なんで」
「仕方ないじゃないですか、綺麗な月だったんです!」
なんで月見て僕で頭がいっぱいになるんだ。
わけがわからないが、思いっきり恥ずかしい事を言われてるのはわかって、まともになんて聞けやしない。
「わかった……わかったからちょっと……」
「全然わかってません。慎さんが好きなのに……他の女の子に流されたりしません」
張り上げるばかりだった声のトーンが、少し落ち着いてくる。
寧ろ少し、弱々しいくらいに。
「だから、無視しないでください」
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