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ほっと空気が緩んだように、陽介さんの強ばっていた表情が和らぐ。
それを見て、ようやくこのいたたまれない状況から解放されると安堵した矢先だった。
「うそつけー。めっちゃ不機嫌だったくせに」
空気を読めない(というか読まない)佑さんの一言に、ぎくりと頬が痙攣する。
何言うつもりだこのクソオヤジ、と止める間もなかった。
「店戻って来た時、ものすげー不機嫌な面してたくせに」
「え、そう、だったんですか」
「こっちまで胆が冷えそうな顔でさー。なんだよただのヤキモチか。良かったな陽介ー」
「ちょっ!ゆっ……」
このクソヒゲオヤジがあ!!!
人が脳内ですら明確にするのを躊躇った言葉を!!
あっさりと!
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