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「……やきもち」
ぱあぁ、と光が射したみたいに陽介さんの顔が華やぐ。
同時に僕の方は顔どころか耳まで熱くなって、ぱくぱくと唇が空振りし上手く言葉が出てこない。
「ちっ……ちがっ!そっ……」
「陽介が合コン行ったことが面白くなかったんだろ?立派なヤキモチじゃねえか案外お前も可愛いとこあるよな」
「違う!そうじゃなくて散々僕に付きまとっておいて……」
「それがヤキモチって言うんだよ」
「呆れただけだ!」
ぜえ、はあ、と肩で息をしながら佑さんと言い合いをしていたが、キラキラとした視線を向けられていることに気がついた。
「例えちょっとでも、嫉妬してくれたんなら嬉しいっす」
「ぐっ……」
視線の主は、やはりストレートな言葉で僕の取り繕う気力を削いでしまう。
この、まっすぐ過ぎる男のことを、僕は少し見倣った方がいいのかもしれない。
いつだって真正面から気持ちをぶつけてくるこの人の前で、嘘や誤魔化しで自分の感情を隠すのは気が引けて。
何より、さっきから彼の告白がひどく耳に残って離れない。
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