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……男も女も関係なく
……慎さんが好きです
まっすぐな、この人の言葉だから。
決して嘘はないんだろう。
それなのに、僕はその気持ちそのものをなかったことにしようとした。
「……すみませんでした」
「えっ?」
「陽介さんの気持ちを、疑ったことです。すみませんでした」
声に出すと、一層熱くなってじっとりと首筋に汗が滲む。
素直になるというのは、百メートルを全力疾走するくらい急激に体力を消耗するらしい。
「ま、慎さん……!」
「受け入れたわけじゃないですよ!し、信じただけですから!」
貴方の気持ちを。
そう付け足した僕に、陽介さんはそれはそれは嬉しそうに「十分です」と笑った。
太陽みたいだと、思った。
こんなにも身体も顔も熱いのは、きっと太陽に当てられているせいに違いない。
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