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グラスを一つ一つ磨いては、棚に並べる。
傍らでは佑さんが水を出しっぱなしにしながら流し台を洗っている。
「佑さんこまめに水止めなよ」
「お? ああ、悪い」
あの二人が結構長く飲んでいったけど、やはり予想通り今日はあまり客は入らなかった。
余りよろしくない数字だ。
黙々とグラスを磨いていると、流し台を洗い終えたのかダスターで周辺を拭きながら佑さんがぼそりと言った。
「気にしてんのか、浩平に言われたこと」
「……別に」
「嘘つけー」
「……うるさい」
陽介さんが機嫌を直した後(彼から見れば、機嫌を直したのは僕の方だと言うだろうが)気が抜けたのかお手洗いで席を立った時だった。
浩平さんは、このために今日店に来たんだろう。
彼と少し話をした。
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