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「……?」
理由がわからなくて、首を傾げる。
彼はこれまで、何度となく店に来店してくれてその時もどちらかというと気さくで、好意的だった。
こんな表情を向けられたのは初めてで、僕は何か気に障ることをしただろうかと記憶を探す。
だが、浩平さんと陽介さんの会話に、そんな思案は吹っ飛んだ。
「お前こそ、何やってんの」
「何って、デートだよ慎さんと」
「ばっ……馬鹿か! 違います!」
馬鹿か阿保か!
と、高い所にある陽介さんの後頭部を思いっきり平手で叩く。
この男は、何を考えているんだ。
職場の同僚に、男同士でデートなどと。
変な噂にでもなれば、職場に居づらくなるのは陽介さんの方だろうに。
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