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話していて、よく伝わってきた。
彼は、陽介さんにとって本当に良い友人で信頼できる人なんだろう。
だからこそ、陽介さんも僕とのことを話したのだろうと思う。
「……心配して当然だよな」
「そうだな」
思い出して呟いた僕の言葉を、佑さんが拾って相槌を打つ。
大事な友人が、本来なら普通の恋愛ができるものを逸れた道筋を歩こうとしている。
浩平さんの言い分は、尤もだ。
最後のグラスを磨き終えて、凝った肩を軽く回して溜め息をつく。
一区切りを待っていたかのように佑さんが「なあ」と声をかけてきた。
「何?」
「全部解決する方法、わかってるよな」
「……」
わかってる。
わかっているけど、それは。
「その年季の入った殻、ぶっ壊しちまえば。ヤキモチ妬くくらいには、気に入ってんだろ」
「……るさい」
陽介さんと恋愛をする。
その前提で語る佑さんが、鬱陶しい。
ほっといてほしい。
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