月と太陽-2

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この、微妙な空気の理由がよくわからないが、仕方ない。 このまま二人が話をするようなら、僕は立ち去るべきだろう。 「昨日? ってなんだよ」 「とぼけんなよ」 僕にはわからない会話を続ける二人に声をかけようと、陽介さんの肩を叩こうとした。 その手が、止まる。 「昨日、合コンの途中でアカリちゃんと抜けただろ。上手くやったのかと思ってさあ」 それはもう、面白いくらいに。 びくん、と自分の手が震えたのが、目に見えた。 「は? 何言ってんだよお前……別に抜けたわけじゃ」 「抜けただろ、あの後俺らはダーツバーに行くっつったのに」 「確かにそうだけど別にアカリちゃんと二人で抜けたわけじゃ……」 訝しい声で会話を続けていた陽介さんが、はっと何かに気付いたように振り向いて僕を見る。 それがまるで「マズい」と言ってるような気がして、その瞬間胸が焼け付くような、抑えきれない不快感が湧いて出た。
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