月と太陽-2

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――――――――――――――― ――――――― 「ただいま。佑さん、開店準備出来てる?」 「あれ? 帰って来たのか。陽介は?」 「そこの公園で別れた。浩平さんと会ったから」 時計を見れば、六時十分前。 まあ、祝日とはいえ週の中日だ、それほど客も来ないだろうから焦ることもない。 カウンターの中で手を洗ってから、流し台に常備してある手指用のアルコールで消毒をする。 ざっとカウンターの中をチェックする。 佑さんの仕事は早いけど、結構粗い。 グラスとかきちんと磨けているか、後でチェックし直そう。 それから。 レモンとライムを貯蔵庫から取って来なければいけなかったかも。 それから。 「……お前、どした?」 「何が」 「いや……めちゃくちゃ不機嫌な顔してるから」 「そう? ちょっと疲れたかも」 僕の表情を読もうとする佑さんの視線から、逃れるようにして背を向けると「着替えてくる」と言って、自室の方へ逃げ込んだ。
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