触れてはならない、禁断の果実

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「ちょ、ちょっ……馬鹿かお前!」 「どうせ俺は馬鹿ですよ!」 嘘つきだとか節操無しだとか思われるより、馬鹿の方がなんぼかましだ。 完全に頭に血が上った俺に、慎さんが動揺したのか目線がちらちらと他所を向く。 なんだよ、俺に集中しろよ! 子供染みた独占欲みたいなものが沸いてでて。 その視線の先に、慎さんの動揺の理由に気付いた。 「浩平ならもう知ってます。俺、言ったから」 「は?」 ぽかん、と口が開いたままおかしなものでも見つけたような、表情だった。 「ば……馬鹿じゃないか、本当に」 「なんとでも。男も女も関係なく、慎さんが好きです。何回でも言いますし誰に知られても、俺はいいです」
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