触れてはならない、禁断の果実

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「え、そう、だったんですか」 「こっちまで胆が冷えそうな顔でさー。なんだよただのヤキモチか。良かったな陽介ー」 「ちょっ!ゆっ……」 やきもち。 焼餅。 ヤキモチ? 「……やきもち」 小さく呟くと、慎さんの顔がみるみると真っ赤に染まる。 「ちっ……ちがっ!そっ……」 「陽介が合コン行ったことが面白くなかったんだろ?立派なヤキモチじゃねえか案外お前も可愛いとこあるよな」 「違う!そうじゃなくて散々僕に付きまとっておいて……」 「それがヤキモチって言うんだよ」 「呆れただけだ!」 狼狽える様子は図星を差されたからだと、思えてしまう。 思っていいんだろうか。 ちょっとは、調子に乗ってもいいだろうか。 「例えちょっとでも、嫉妬してくれたんなら嬉しいっす」 「ぐっ……」 真っ赤な顔で俯いて、何かを堪える様に肩を震わせる様子に 今すぐカウンターを乗り越えて抱きつきたくなってしまった。
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