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別に、ほんのちょっと妬いてくれたくらいでそれがイコール「好き」という感情に直結するとは思ってない。
だけど、そのほんのちょっとの嫉妬と同じくらいに、希望があるって思っていいんだよな?
胸の奥が苦しいくらいにきゅんきゅんと鳴っている。
この人は、良くも悪くも俺の心拍数を上げてくれるから、そこんとこをもうちょっと自覚してほしい。
すみませんでした、と小さく頭を下げた彼女に首を傾げると、少しもじもじとしながらもう一度謝罪の言葉が聞こえた。
「……陽介さんの気持ちを、疑ったことです。すみませんでした」
「ま、慎さん……!」と、またしてもカウンターを乗り越えたい衝動に襲われて、カウンターに阻まれる。
いらないだろ。
邪魔でしかないだろカウンター。
しかし、遮られてなかったら本気で抱き着いて殴られてたに違いない。
「受け入れたわけじゃないですよ! し、信じただけですから!」
俺の気持ちを信じると言ってくれた。
それだけで十分だった。
俺はすっかり舞い上がって、その後俺の居ないところで、浩平と慎さんが話をしていたなんて、随分後になるまで全く知らなかった。
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