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ミキちゃんとアカリちゃんは、すっかり慎さんの王子様スマイルの虜のようで、ハートがキラキラ飛び散ってる幻影まで見えそうだ。
慎さんがオーダーを聞こうとしているのに、何かと脱線してさっきから無駄話しかしていない。
それでも、慎さんは嫌な顔一つ見せないのだから……やっぱり彼女は女の子にはかなり優しい。
「お二人は、どのようなお酒がお好みですか?」
「飲みやすいのがいいなあ……柑橘系の甘いのとか」
「……生中と焼酎梅割り交互に飲んでたくせに」
ミキちゃんに思わず突っ込んだ浩平が、その直後に「イテッ」と小さく悲鳴を上げた。
どうやら臑を蹴られたらしい。
「すみません、あまりカクテルとか知らなくて……」
「大丈夫ですよ。さっぱりしたものがいいとか、ご希望をおっしゃっていただければそれに合ったものをお作りしますから」
「じゃあ、私も甘めの、フルーツのがいいな」
そう答えたアカリちゃんも、さっきの店では俺の隣にぴったりくっついて離れなかったのに、慎さんを見た途端にするっと離れてミキちゃんの隣に座った辺り実はかなりミーハーなんじゃないかと思う。
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