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「イチゴは好き? マンゴーは?」
「どっちも好きです!」
「私はイチゴ!」
どうやらようやくドリンクの希望がまとまったらしく、「かしこまりました」と一礼した慎さんが今度は俺と浩平に向けられる。
「お二人は、どうされますか? 後で女性をお送りしなければいけないのだし、少し軽めにしておきましょうね」
「「……ぃっす」」
と、浩平と二人、声が揃った。
慎さんは笑っちゃいるが、あれでは「お前らはあんまり飲むなよ」と圧力をかけられているようなものである。
あの艶かしい笑顔の裏で、彼女に俺は今どう思われてしまっているのだろう。
こんな事態となったそもそもの原因の浩平を、じろりと横目で睨んだ。
大体全部、コイツが悪い。
俺はもう行かないと言うのに、異常にしつこい。
どころか、慎さんの目の前で合コンの話を持ち出したのだ。
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