触れてはならない、禁断の果実

22/31
前へ
/31ページ
次へ
「あああ、どうしよう。本気で暫く通っちゃおうかな」 「やめとけやめとけ。お前なんか相手にされるわけないだろ」 「うっさいわね、そんなのわかんないじゃないの!」 浩平とミキちゃんが、喧嘩腰の軽口を叩き合う。 大学時代から、これが二人の雰囲気らしい。 付き合っている、というわけではないそうだが。 「男だって見た目は大事よ! アカリもそう思うよねー」 「あはは。そうねえ……すごく綺麗だから、目の保養にはなりそうだけど、緊張しそう」 「そう?」 「うん、私はもうちょっと、身近な感じの人の方がいいかな」 そう言って、アカリちゃんがちらりとこちらを見て視線が合った。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

476人が本棚に入れています
本棚に追加