触れてはならない、禁断の果実

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「……何言ってるんですか。もう終電もなくなりますよ」 「大丈夫です、走れば間に合うし。それに週末はあのオッサンまた来るかもしれないじゃないですか」 「梶さんなら、最近は来ても別に僕に絡まないし、佑さんがお相手してるから特に困ってませんよ」 呆れたと言わんばかりの顔で慎さんは言うけれど。 確かに、近頃来店してもそれほどしつこく絡んでいる様子はないし、佑さんと話していることが多い。 だが、それを認めてしまうともう番犬は必要ないから来なくていいと言われてしまいそうだ。 っていうか、ちょっと……今。 イヤなものを想像して、寒気が。 「……あのオッサン、まさか佑さんに鞍替えっすか?」
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