触れてはならない、禁断の果実

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後を追いかけなくては。 わかっちゃいるが、さすがに凹んでしまってすぐには立ち直れず、その場にしゃがんで頭を抱えた。 さっきまでは、すげー幸せ気分だったのに。 この落差に頭が追い付くのに時間がかかった。 「お前さあ。全然脈なんかなさそうじゃんか」 「……うっせぇ」 「ってか、相手が男ってとこでまず無理だろ。お前本気であの人相手に恋愛出来る気でいんの」 浩平の言い分は尤もだった。 言い返せる材料がない。 いや、あるとするなら 慎さんが本当は、女だっていうことだ。 言ってしまえば浩平だって反対しないだろうし、誰にだって堂々と話せるのに。 「……恋愛してるよ、俺は!」 当然、秘密を言うわけにはいかなくて、しゃがんだままぐしゃっと髪を掻きむしる。 違う、そうじゃない。 今だって、堂々と出来る、俺は。 別にあのひとが男だって女だって 関係なく好きだった。
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