触れてはならない、禁断の果実

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店まで慎さんを追いかけて、出迎えてくれた佑さんは俺の必死の形相を見て何事かと首を傾げる。 「陽介?」 「慎さんは?!」 「今奥で着替えてるけど」 くい、と親指で奥の扉を示す仕草。 佑さんに何も伝わっていないことにまた、ダメージを食らう。 俺はこんなに必死になってんのに、慎さんにとったら佑さんにわざわざ話す必要すらないことらしい。 ああ、ヤバい。 もう死にたい。 慎さんが出てきたら、なんで追いかけてきたんだと訳が分からない顔でもされるのだろうか。 意味すらわかってもらえないだろうか。 そう思えば惨めで情けなくて、今すぐここから逃げ出したくなる。 俺にとってもなんでもないことなのだと、ダメージなんか欠片もないフリをして。
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