触れてはならない、禁断の果実-2

23/29
前へ
/29ページ
次へ
緊張で固くなった唇は、何度も重ねて舐めるたびに柔らかく熱を持った。 抵抗しないのをいいことに、唇を貪ることに夢中になって、苦しそうな彼女の息遣いも扇情的なものにしか感じられなかった。 「……ん、も……やめっ……」 「もう少し……すんません」 最初は片手で支えていただけだったのに、いつのまにか両手でがっちり彼女の首筋を捕まえていて、よくもまあ、あの慎さんが大人しくしていてくれたものだと、気付くのは後になってからだが。 「……くるしっ……」 「もう、ちょい」 止まんないんだよ、仕方ない。 声を遮るように角度を変えて深く口づけると、咄嗟に閉じようとした歯の間に舌をねじ込んで絡みつく。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

441人が本棚に入れています
本棚に追加