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尻もちをついて鳩尾を擦りながら僕を見上げる佑さんは、悪ふざけが過ぎたことに気が付いたのか顔面蒼白だ。
気付くのが遅すぎる。
「ほら……俺はさ? やっぱり可愛い義妹がいつまでも男の形をしてるよりも……ちゃんと幸せを掴んで欲しいわけだって、でも答えは出ただろ?」
男の猫撫で声なんて聞けたもんじゃないな。
だけどゴマ擦りのようなセリフの中にも、確かなことはあった。
少なくとも、あの距離で居たいのは佑さんではない。
「そうだな、答えは出た。佑さんとは今後一切近づきたくない」
「えっ? いやそっちじゃなくて」
「なんならその顔も見たくないから、整形せざるを得ないくらいに潰してあげようか」
「見たくないから暫く来るなっていうならわかるけど! 酷くねえ?!」
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