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吐息が頬にかかる。
”誰と”と聞かれているのに、答えは二択で迫られているような、そんな気がする。
その問題自体が、間違ってないか?
何で今、そこから選択しなければいけない。
すんなり口が動いていたらそう切り返していたかもしれないが、言葉が出ないうちにこの状況ではそうもいかないのだと気づく。
二択の選択肢の一人が、今は僕じゃない人と一緒に居て、もう一人が今僕の目の前で距離を詰めようとしているからだ。
「まあ、もしかしたら陽介は今頃あの子と、こんな雰囲気でいるかもしれないしな。だったら俺にしとくか?」
陽介さんとあの子が。
今の僕と佑さんのように。
その映像は脳裏で容易く映像化され、実際に今傍に居て感じてしまう体温と連動した、途端だった。
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