なんでもかんでも明け透けに喋ればいいと思うなよ!

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名前の上には、銀色のプレートで301と書かれてある。 「覚えました? 駅からも真っすぐだし」 「え? ああ、はい。覚えました」 どうやら、僕に覚えておけということらしい。 確かに駅からも一本道だったし、簡単だった。 ここまでの道を頭でもちゃんと思い出せて、こくこくと頷く。 それを見て納得したのか陽介さんも頷いた。 「んじゃ、たくさん歩かせてすみません。すぐそこにカフェがあるんで」 「えっ? なんで」 カフェならさっきの駅にもあったし、それならなんでここに来たんだ。 その意味がわからなくて、ついストレートに突っ込んでしまった。 「え、だって足疲れませんか」 「確かにちょっと疲れはしましたけど……」 だったらなんで寄ったんだ。 疑問が顔に出ていたらしく、陽介さんが苦笑いで頭を掻いた。
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