484人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
純白にレースをあしらったそれは、ウェディングドレスを思い起こさせる。
開いて、新婦の名前が自分の友人ではなかったことに安堵した。
金の文字で「Wedding」と書かれたそれを、くしゃりと握りつぶすのはさすがにバツが悪く大人げない気がしてしなかったけれど。
僕はそれを、ゴミ箱に捨てた。
どうせ返事をしなくても、家族ぐるみの付き合いで両親同士仲が良い。
僕の出席は既に決まり事のように話されているに違いない。
あの男もだから仕方なく、招待状を出したに過ぎないだろうから。
―――――――――――――
――――――
この頃のbarプレジスは、どうも僕にとって居心地が悪い。
元より多い女性客がこの頃増えたから……というのは正しくは理由にはならない。
僕は女性客の方がやりやすい。
ただ増えた女性客が、陽介さんに思いを寄せていたアカリちゃんというところが、問題なのだ。
最初のコメントを投稿しよう!