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浩平と二人居酒屋のつもりだったのを、急遽駅前の牛丼屋でひとり掻っ込んで、すぐに慎さんの元へ向かった。
翔子の勢いに負けて、浩平が連れて来てしまう可能性も少なからずあるからだ。
「いらっしゃいませ」
「こんばんは」
店内には既に二人来客があり、カウンターの両端が埋まっている。
ちょうどど真ん中のスツールに決めて座ると、すぐに慎さんがオシボリを差し出してきた。
「いつもより少し早くないですか?」
「そうっすか?」
そりゃ、万一のことを考えて大急ぎで食ったもんですから。
翔子に待ち伏せされて浩平を生贄に撒いて来たことは、言わなかった。
浩平には改めて酒でも奢って許してもらおう。
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