僕と、勝負してください

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二時間、ほどしてからだろうか。 「陽介さん、こんなに頻繁に飲みにきていて大丈夫なんですか」 「懐具合のことっすか? だったら問題ないです」 ちょくちょく佑さんがまけてくれてるので、それがかなりありがたい。 元々外食が多かったし、そこを少し節約すればなんとかなる程度のことだった。 だけど、慎さんの言いたいのはどうやら懐具合のことではなかったらしい。 「まあ、それもありますけど。貴方、毎回結構飲むから」 「あ……もしかして。身体の心配をしてくれてますか」 そう尋ね返すと、「まあ、倒れられても困りますし」と照れ隠しにいつもの仏頂面を浮かべて頷く。 「あざっす。最近ここ以外では抑えてるんで大丈夫ですよ」 ああ、客が居なかったら手を握りたいとこだ。 ほんと可愛い。 と、一人悶絶しそうになってた時だった。 賑やかな声が、入って来たのは。 「あっ! 陽ちゃん見つけたぁ!」
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