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「え……」
「やっぱり、神崎さんだよねえ! 地元東灘じゃない?! 雰囲気ちょっと変わったからわかんなかったあ!」
翔子が目を輝かせて、スツールから半分腰をあげる。
反面、慎さんからはすぅっと笑顔が消えた。
神戸、東灘は、翔子の地元だ。
同郷?
まさか。
「あ、ごめん。神崎さんすごく綺麗な子がいるって有名だったから、私が知ってるだけなの。学年違うし。でも喋ったことあるよ、委員会一年間一緒だったし」
「翔子、ちょっ」
学年。
学校が同じ?
翔子の行ってた高校は、確か。
女子校じゃ、なかったか。
「あ、そうか。まことさんって……陽ちゃんの好きな人って神崎さんなんだ! 高校同じだったんだよ、せい」
「翔子!」
成美女子高等学校。
他の客も居る中で、その学校名を言わせる訳には行かない。
慎さんが女だって、バレちまう!
咄嗟に、翔子の口を塞いでいた。
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