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「あーっ、だめだ！ カルアミルクダメだ悪酔いする！」
「……」
スタートして、どれくらいだろう。
陽介さんがかなり飲むのはわかっていたけれど、思っていたよりも結構飲まされた。
だが、さすがに酔いが回ってきたらしい。
彼が突如、趣向を変えてカルアミルクを指定したのだが。
多分、僕の苦手を狙ったのだろうけど、それで自分が悪酔いしそうになったことを暴露してどうするんだろう。
この先僕がカルアミルクばっかり指定したらどうするつもりだ。
「まあ、余り深く考えずに、飲みたい酒を頼むのが一番ですよ。次、ルシアン」
「……甘いのもオッケーなんすね」
「苦手ではないですね」
敢えてレディキラーと言われる甘めのカクテルを指定した僕は、かなり意地悪い。
うぐぐ、と赤い顔で前のめりになる陽介さんを見て、つい苦笑いが浮かぶ。
まあ、悪酔いさせるのもどうかと思うから意地悪はやめて、次からはストレートにしよう。
それでもひと息に酔い潰す勢いで強い酒ばかり指定し続けた。
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