溢れる気持ちの受け止め方が、僕にはわからない

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随分長い間、茫然としていた気がするけど、もしかしたらほんの数秒だったのかもしれない。 カララララ……と、硬質な何かが落ちた音で我に返る。 気付くと指の力が抜けていて、手の中にあったシェーカーが消えていた。 「失礼しました」とシェーカーを拾い上げて、彼から視線が外れたのをいいことにそのまま背を向ける。 「ま、慎さんっ、あの」 焦って何か言い訳をしようとする、その声に、なんでだろう。 振り向くことが出来なかった。 なぜか、酷く、怖くて。 言い訳を聞くのが、怖くて顔を見ることも出来ない。 佑さんが店内の空気を読んで、三人を帰らせたのは声と扉の音だけで聞いていて、その間一度も僕は、彼を振り返らなかった。
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