彼女が試したかったもの

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やべぇ。 身体痛い。 頭重い。 なんか、割りと近いとこで水の音がする。 眠いから寝かせてくれよ。 頼むよー。 何故か腹が苦しくて、手で擦ると「げふ」っと空気がせりあがって鼻と口から抜けた。 「くっせ……」 くっせ! 酒くせえ! ああ、そうか、俺酔っぱらってんのか、と漸く身体の不調の意味を理解する。 にしても、ここまで酔うことなんてこのところなかったのに……何した俺。 少しずつ少しずつ、頭が覚醒してぶっ倒れる前に自分が何をしていたのかを思い出した時。 「やべ! 慎さん!」 慌てて飛び起きた。 自分が寝かされていたのは店のソファ席で、此処に来たばかりの時も一度似たようなことがあったと思い出す。
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