彼女が試したかったもの

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「行きます勿論。ひとりで行かせませんよそんなん」 やっと意味を理解して、即答する。 本当なら出席だってしなくていいだろと言いたいけれど、そうもいかないのだろう。 何より、これって。 俺を頼ってくれてる、ってことだよな? 手を握りしめて顔を覗き込むと、慎さんの目が僅かに上向いて、頬を緩める。 「……ありがとうございます」 ほう、と力の抜けた笑顔に、俺の方が蕩けそうになった。 握りしめた手を持ち上げて、いつかみたいに指先にキスをする。 そうしてまたちらりと顔を見ると、真っ赤にして恥ずかしそうに唇を噛んでいるけれど嫌がってはいなかった。
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