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妹……紗菜ちゃんというらしい。
彼女から暫く疑いの目を向けられていたが、唐突に僕の胸をポンと触ったかと思うと。
「……っ!」
「あ、ほんとだ。小さいけどある」
ぽふぽふと手のひらで確かめて、それで漸く納得してくれたようだった。
触られた挙げ句小さいと言われた僕よりも、目の前の陽介さんの方が余程ショックな顔をしていたが敢えて見ないフリをした。
俺も触ったことないのに!
とかまた余計なことを叫びそうだから。
「慎さん座ってください、今コーヒーいれますから」
「違うでしょう、貴方が寝てなさい」
その後紗菜ちゃんは本当にバイトだったらしくすぐに帰って行き、僕はコーヒーを入れにキッチンに向かおうとする陽介さんを引き止めて、額は冷えピタが貼られてあるので首筋に手をやった。
やっぱり。
今は平気そうに見えているけど、それはテンションが上がっているからで、熱はかなり高いはずだ。
手のひらに伝わってくる熱さが、普通ではなかった。
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