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「何がですか」
「なんか、元気ないっすよね?」
「なんもないですよ。おかわりは?」
「あ、いただきます」
差し出された手に空になった茶碗を渡すと、彼女はキッチンに入っていく。
その背中を見ながら、やっぱり何か違うと首を傾げる。
質問への返答が、余りにもスラスラと簡潔過ぎたから。
本当に何もないなら、なんでそんなこと聞くのかとか、眠いからとかお腹空いてるからとか、なんか答えに会話の幅がありそうなものだ。
戻ってきた慎さんからお粥を受け取りながら、もう一度尋ねる。
「……お腹空いてるんすか?」
「貴方じゃあるまいし」
ぷっと吹き出して、眉を寄せ乍ら笑う。
それをじっと見続けていたら、観念したのか溜息を一つ落として言った。
「夕方に、実家から電話がありまして」
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