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「あ、俺が寝てる時?」
「そう。佑さんが、姉と娘に会いに昨日から戻ってて、余計な事をいいやがって」
「はあ」
話しが見えなくて、相槌を打ちながらお粥を口に運ぶ。
慎さんの口調からして、どうやら佑さんに腹を立てているらしいが、一体何があったというのか。
彼女が一瞬口籠ったのをそのまま見守っていると、少し頬を染めて言いにくそうに口を開いた。
「ぼ……僕に、彼氏が出来たと。姉と両親に言ったらしくて。それ聞いて速攻電話かけてきて、姉はどんな男だとガンガン聞いて来るし、母親は本当に彼氏か、まさか彼女だったりしないかとか」
「ぶっ! 彼女て。容赦ないすねお母さん」
「悪気はないんですけどね。底抜けに明るい家族で裏表がないというか、なんでもストレートにぐいぐい来る……ので……」
そこまで話して、慎さんが呆けたように俺の顔を見る。
「なんすか」
「いえ、なんでも……」
言いながら彼女は頬を引き攣らせて笑いながら目を逸らし、俺は意味がわからず首を傾げる。
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