貴女が涙を飲んだワケ

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一旦寝室に戻ってベッドの中を確かめて、何もしないよりはマシだろうと、バスタオルを敷いてからいそいそとリビングに戻る。 ソファを見下ろすと、さっきと全く変わらない状態で気持ちよさそうに眠っていた。 ……熟睡、してくれてるかな? こういう時、ちょっとした罪悪感もあるのは、多分。 彼女をベッドに運ぶ行為って、結構、男の自己満足みたいなものがあったりするからだと思う。 なんか、こう。 自分に全力で委ねられてるって感じが、庇護欲を掻き立てて、更には、彼女を守ってるのは俺っていう、充足感を得られる、というのか。 そんな下心があることを、頭でわかっているからだ。 所詮、自己満足。 なんだけどさ。
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