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慎さんをベッドに寝かせて、俺がソファに寝てるとこ見つかったら、めっちゃ怒るんだろうなあ。
病人のくせに何やってるんですか!
つって。
でももう熱下がったっぽいしな。
明日の朝怒られる覚悟をしてにへにへ笑いながら、慎さんをしっかり毛布に包み直して首の下と膝の裏に、腕を通す。
背は高くても兎に角細いから、それほど重くはない。だけど、持上げる時にふらつくと目を覚ましそうで。
慎重に慎重に……と彼女の体重をソファから腕に移行させてゆっくり腰を上げる。
その途中で、熱の後だからか昨日殆ど食えてないからか、一瞬足に力が入らなかった。
うわ!
と、声はかろうじて我慢したものの、ぐらっと揺れた拍子に、腕を彼女の頭がころんと転がる。
瞬間、ばちっと、目が合った。しまった、と思った。
大きく見開かれた慎さんの目に、一瞬で怯えの色が混じったのがわかったから。
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