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行くか、行かないか。
はっきりした答えが返ってくると思っていたから、次の言葉に迷う。
どどどうすればいい!
頭がショートしそうで、自分で言い出した事なのに、もうはや後悔しはじめている。
だけど狼狽えているのは僕だけで、陽介さんから聞こえた言葉はとても落ち着いたものだった。
「観光は、また今度ゆっくり。新幹線乗っておせち食べて、帰りましょう」
「え……」
「慎さんとこに送ります」
「で、でも」
「でももうちょっと居たいから、店で酒でも作ってくれませんか」
ね。
そうしましょう。
と笑う。
それではいつもとなんら変わらないではないか、と思ったけれど、僕はそれ以上は何も言えなかった。
ほっとして、しまったからだ。
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