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周囲は徐々に暗くなり、家の明かりがポツポツとつき始めるなか、ゆるゆると坂道を降りていく。
「佑さんと喧嘩でもしたんですか?」
「なんでですか?」
「いえ、なんか。なんとなく?」
「なんもないですよ、仲良しです」
「仲良し、と言われたらそれはそれで違和感あるんですけど」
「俺は離婚してるはずの佑さんがなんの違和感もなくあの場にいるのが不思議でしたけど」
「言ったじゃないですか、別れてからのが良い関係みたいだって。その内よりを戻すんじゃないかなあ。今日もちゃんとお父さんしてて機嫌良さそうだったのに」
一瞬見えた怖い表情がなんか……。
あれは気のせいだったんだろうか。
考えていると不意に真ん中で繋がれていた手が持ち上がった。
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