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陽介さんの唇が手の甲に触れる。
それから、僕の顔を伺うように覗き込んだ。
これが最近、キスをしていいかどうかの合図みたいになりつつある。
「……な、なんですか、急に」
「へへ、今日何回も顔真っ赤にして可愛かった」
「あれは貴方が恥ずかしいこというからっ」
「いいっすか?」
「こ、ここで? でも、人が」
「暗いし誰も居ないっすよ」
「そんな暗くないじゃないですか」
確かに人通りはないけれど、まだ、薄闇程度だ。
まぎれると言うには、暗闇が足りない。
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