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「……新神戸の駅、とか。泊まれるとこ、あったと、思って」
無駄に静かな通りが、憎らしかった。
心臓の音まで、聞こえてしまいそう。
彼が、こくんと、喉を鳴らした音まで、聞こえてしまった。
しかし、そこから余りにも反応がないものだから、もしかして意味が通じてないのかもと不安になってくる。
だ、だとしたら恥ずかしいことこの上ない。
いや、意味が通じてないのならさっきの発言に深い意味などなかったことにしてしまおう。
かああ、と頭に血が上った状態で、冷や汗が滲み出てもう限界だと思ったとき。
「そんなこと、言われると。俺、めっちゃ調子に乗ってしまいそうですけど……」
はは、と笑いながら。
彼も、僕の言葉の受け止めかたを迷ってるような、そんな返事だった。
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