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「え?」
「陽介さんが怖いわけでもないです」
慎さんが何の話をしているのか、わからないわけはない。
「わかってます、それにあれは怖がられても仕方ないくらい俺が」
悪かったんです、すんません。
ってまた謝りそうになって、なんとか飲み込む。
だけど俺が怒られこそすれ、慎さんが気に病むようなことではないのに。
「俺は気にしてませんし、寧ろ前みたいに噛みついてくれてもいいっすよ」
そう言うと、慎さんは少し瞠目してから初めてキスした時のことを思い出したのか、ふっと口許を緩めた。
笑ってくれたことに、ようやっと、俺も安堵する。
も、ああいう時はほんとそれくらいしてくれないと。
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