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それでもなんとかキスだけでとどめて、店を逃げ出した。
その夜、ありえない状況で慎さんとあんなことやこんなことをする罪深い夢を繰り返し見せられたのは、絶対慎さんのせいだ。
嘘ですすんません俺の煩悩のせいです。
その後も、突然やってくる彼女の誘惑はとにかく少し不自然で、たどたどしいその雰囲気は心臓に悪い。
俺の方はもうあんな理性ぶっ飛んだ状態にはなりたくなくて、目を逸らしたり気を逸らしたり話を逸らしたり、もう必死である。
今日も見事に陥落して、べろべろとキスを堪能してしまった俺に若干自己嫌悪を抱きつつ、家にたどり着いてベッドに転がった。
いつの間にか攻守が、ひっくり返っている気がする。
いや、嬉しくないわけがない!
そんなわけはねーけども!
俺の理性がいつまで持つか心配だし、気になるのはやはり、無理してるんじゃないだろうかということだった。
俺だって慎さんの過去を知ってから、色々と考えたりしてる。
そしてふと、思ったことがある。
恋愛に関して、慎さんは時々すごく、男性的な視点で考えている気がする。
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