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だから身体どうこうは二の次だ。
あんなに手が震えてたのに、怖くなかったはずがないのだ。
なのに今までよりも先へ先へと、慎さんが焦っている気がしてならない。
俺は傍にいられればそれが一番で、しつこいくらいにその気持ちは伝えているはずなのに……。
届いてないのか、理解されてないのか。
なんでだ。
そう考えて、すぐに一つ、思い当たった。
もしかしてこれも、慎さん自身気づいてないかもしれないけど、過去の経験からくるものじゃないんだろうか。
身体が震えてしまうことだとか、目に見えることだけじゃない。
男はそういう生き物なのだと、慎さんの意識に刻まれてしまっているのではないか。
だとしたら尚更のこと、焦っちゃいけない、あの可愛らしい誘惑に負けてる場合ではない。
そう改めて気合を入れると同時に、あの篤とかいう男への腹立たしさもまた沸々と沸いて腹の中で渦巻く。
あんな奴の結婚式なんて、やっぱ行かなくてもいいんじゃないかと思う。
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